匠紀行

鑑賞・選び方

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鑑賞・選び方

展示ケース越しに七宝焼を見ると、光の角度で釉薬の色がふっと変わり、透明釉が箔の反射を拾った瞬間には奥にもう一枚の光が差し込んだように見えます。少し距離を取るとそのきらめきは一つの面に溶け合い、陶磁器とは別の成り立ちをもつ工芸だと実感できます。

鑑賞・選び方

伝統工芸の器は、最初から高価な一客に踏み込まなくても、数千円台の一品から暮らしとの相性を確かめられます。朝の味噌汁を漆椀で持つと、木地と漆が熱をやわらげて指先が熱くなりにくく、口当たりまで穏やかに感じられる一方、磁器の豆皿は吸水性が低いため醤油や油のにおいが残りにくく、日々の食卓で扱いやすさが際立きます。

鑑賞・選び方

伝統工芸の器や道具は、飾るものというより、手をかけながら使い続けてこそ良さが立ち上がります。とはいえ、陶器は水に浸けると表面がわずかに暗くなって吸水性の違いが見えたり、漆椀は熱い汁を注いでも手に熱が伝わりにくく、拭き上げを重ねるうちに艶が深まったりと、素材ごとに付き合い方がまるで違います。