匠紀行

鑑賞・選び方

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鑑賞・選び方

漆器の基本から選び方までを用途起点で整理。汁椀・箸・弁当箱・贈答・ハレの日の5シーン別に、輪島塗・山中漆器・会津塗・越前漆器・木曽漆器などの違い(技法・見た目・価格感)と本漆/合成塗料、天然木/樹脂、蒔絵/沈金/拭き漆の基礎も理解できます。

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有田焼は、佐賀県有田町を中心に作られてきた日本を代表する磁器で、白磁の素地に染付や色絵を重ねる表現の幅広さに大きな魅力があります。器を指で軽く弾くと「キン」と澄んだ音が返り、光にかざすと白磁がほのかに透ける――そんな感覚的な手がかりから入ると、この焼き物の個性がぐっと見えてきます。

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次に動くなら、石川県九谷焼美術館などで古九谷と再興九谷の代表作を見比べ、九谷五彩・青手・赤絵細描の三つを意識して器を見るのがおすすめです。暮らしに迎える入口としては、小皿、湯呑、そばちょこあたりから入ると、鑑賞と使用感が自然につながります。

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備前焼の核心は、無釉、焼き締め、そして窯変の三点にあります。無釉は「むゆう」、焼き締めは「やきしめ」、窯変は「ようへん」と読みます。器店の棚で手に取るなら、まず釉薬のない肌と土の微細な凹凸に触れ、そのあと緋襷の線や胡麻の粒を目で追ってみると、この焼き物の見どころが立ち上がってきます。

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信楽焼というと、駅前の大きなたぬきや愛嬌のある置物を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、粗い土に触れたとき指先に小さな石粒が当たり、角度を変えると自然釉がガラスのように光る景色を見ると、この産地の核にあるのは土と炎がつくる偶然性だとわかります。

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益子焼は、栃木県益子町周辺で育まれてきた、厚みと重み、そして土味のある穏やかな表情が魅力の陶器です。厚手のマグを手に取ると、口縁のやわらかな当たりに不思議な安心感があり、釉薬のたまりに指がふっと止まる感触からも、日用品として磨かれてきた器であることが伝わってきます。

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朝の食卓でくらわんか飯碗とマグを一緒に手に取ると、白磁の反射と呉須の藍がご飯のつややかな白やコーヒーの深い色をきりりと引き立てます。食器棚では、同径のプレートやボウルがきちんと重なって収まり、使う場面だけでなく収納時の心地よさも含めて、波佐見焼の良さが見えてきます。

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白い厚釉の志野小鉢と緑釉の織部皿を並べると、同じ料理でも前者はやわらかな余白をつくり、後者は色彩の輪郭をきりっと引き締めます。岐阜県東濃地方の土岐市・多治見市・瑞浪市・可児市を中心に生産され、1978年に伝統的工芸品に指定された美濃焼は、様式名ではなく陶器と磁器を含む地域名の総称です。

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湯呑にお茶を注いで使い重ねるうち、細かな貫入の線がほんのり琥珀色を帯びてくる。その静かな変化の入口に、萩焼ならではの魅力があります。山口県萩市一帯を中心に焼かれるこの陶器は、茶の湯で一楽二萩三唐津と並び称され、使い込みによる表情の移ろいを「七化け」と呼んできました。

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朝の湯呑みと来客用の白い小皿を手に取って見比べると、違いは意外なほど素直に現れます。湯呑みは指先に土のやわらかな気配が残り、光にかざしてもほとんど透けず、軽く弾くと低く丸い音が返る一方、白い小皿は縁にほのかな透け感があり、表面はひやりとなめらかで、音も高く澄んでいます。

鑑賞・選び方

店頭で器を光にかざすと、白さの奥にわずかな透け感があるか、まず目が止まります。次に裏返して高台の削り跡や釉薬のたまりを見て、さらに上絵の厚みを指先で追うと、その器が陶器か磁器か、どの産地の仕事に近いかが少しずつ見えてきます。

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輪島塗の価値は、まず目に入る沈金や蒔絵だけではなく、見えない下地にあります。漆椀を手に取ると驚くほど軽く、それでいて縁にふっと安心感があるのは、木地に布着せを施し、輪島地の粉を使った本堅地で支えるという三つの要素があるからです。